ブログ

HOME» ブログ »退職金を払いたくない理由を考える その2「事業資金が固定されてしまう」

ブログ

退職金を払いたくない理由を考える その2「事業資金が固定されてしまう」

経営者の退職金に関する悩みの筆頭は、退職金を払いたくないということです。この「退職金を払いたくないい」理由を探っていくと資金繰りに関する悩みがその大変を占めます。退職金は「予測可能な債務」であることを認識するとともに、退職金を資金計画に盛り込めるような運用方法を考えてみてください。

事業資金が固定されてしまう


(1)事業資金が固定化されている状況とは

退職金の準備資金を外部積立で行っている場合で、さらに退職金の支払い以外の理由では取崩しができない状態のとき、事業資金は固定化されているということになります。
①確定給付年金制度を導入している場合
②確定拠出年金制度を導入している場合
③中退共・特退共を導入している場合

※上記の制度を活用している場合は退職以外の事由でのとりくずしはできません。また、企業が解散した場合でも、その残高は従業員に帰属し、それぞれの規約にもとづいて分配されることになります。

(2)確定給付年金制度において取れる対策

確定給付年金制度においては、退職金の発生時において定められた金額(年金もしくは一時金)を支払うために、あらかじめ設定した利率(予定利率)を使用し、積立額が決められます。
そのため、対策としては適正な予定利率を管理することが求められます。

①予定利率と積立額の関係


※予定利率を高く設定すれば、計算上の積立額は大きくなりますが、あとで積み立て不足が生じる可能性が高くなります。一方で、予定利率を低く設定すると積立不足が生じる可能性は低くなりますが、掛け金が大きくなります。適正な予定利率の設定が重要なポイントになります。

②キャッシュバランスプランの検討

キャッシュバランスプランでは、確定拠出年金のように、個人勘定を仮想的に設定します(以下、「個人     別仮想勘定」と呼びます)。個人別仮想勘定に毎年一定の持分(以下、「給与クレジット」と呼びます)と企業が約束した利息(以下、「利息クレジット」と呼びます)を付与します。これを毎年、累積した退職時の個人別仮想勘定の残高が、年金原資(または一時金)となります。
※利息クレジットの実現は、退職時なので、たとえ利息の設定で積み立て不足が発生していても退職時までは、積立不足が実現しないということになります。

 


(3)生命保険(福利厚生プラン)を活用している場合

生命保険(福利厚生プラン)とは、養老保険を活用して、死亡退職金の支払いの実現と退職金原資を積み立てる方法です。
①勤続・年齢等の条件により企業が加入者を特定できる
②保険金額に応じた保険料を企業が拠出する
③満期保険金額が保証されている

※退職金に対する積立割合を任意に設定できることと、退職以外の事由での取崩し(解約)が任意にできるので資金コントロールが比較的容易にできると言えます。

(4)退職金制度導入を検討している場合

①退職金の積み立て割合を検討する

退職金で資金繰りが圧迫されるなどの問題を抱えるのは、導入段階での将来発生する退職金の予測計算が甘かった可能性もありますが、退職金の100%を積み立てようと計画することに無理があることも考えられます。
1)将来発生する退職金を年度毎に確認し,必要額と積立負担額に無理がないかどうかを確認する。
2)特に定年退職が集中する年度がないかを確認し、もし集中する年度がある場合には、積立負担をなるべく平準化できるような積立割合や積立方法を検討する。
3)資金負担が特に大きくなる年度には、内部留保益の益出しなどの財務戦略も併せて検討する。

②積み立て方法の組み合わせを検討する

遠い未来に向けての積み立てですので、経済環境や自然災害など様々な要因で予定していた経営環境ではなくなってしまう可能性がありますので、積み立て方法を組み合わせる工夫も必要です。
組み合わせ例)
・中退共+保険   
・確定拠出年金+保険
など、退職金以外の取り崩しができない積立と比較的自由に資金が使える方法を組み合わせる検討が必要です。

 
2022/10/31

ブログ

株式会社 エスシーリンク

220-0011横浜市西区高島1-2-5
横濱ゲートタワー3階 地図参照

TEL045-651-2444
FAX045-565-5075