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退職金規定の分析からわかること その3「退職金規定の性格」
退職金規定の分析は、3つのステップからなります。
ステップ1 従業員の年齢構成等の分析
ステップ2 期末自己都合退職金及び定年退職金予測
ステップ3 退職金規定の性質
この3つのステップのうち、退職金規定の性質は、規定の細則に現れる項目で注意してみないと見過ごしがちな項目ですが、従業員のロイヤリティーや働き方の変化などを考えたときに重要度が増す項目でもあります。
①自己都合・会社都合収束型
比較的規模の大きな会社では、勤続年数が多くなればなるほど、会社都合の金額に近づいていくという規定が採用されています。

②自己都合・会社都合乖離型
多くの中小企業では、定年時にいたるまで、自己都合に対する給付割合は会社都合に比べて低く抑えられているという規定が採用されています。
減額の割合は、一定であったり、徐々に小さくなる設定だったりとまちまちです。
従業員が懲戒処分を受けた場合についての規定については、以下のような規定を設けているのが一般的です。
① 懲戒解雇された場合には、退職金を支給しない。
② 諭旨解雇された場合には、退職金を減額して支給することがある。
③ 退職後に、懲戒事由が判明した場合は、既に受給した退職金を返還しなければならない。
注意点
規定でこのように定めていても、退職金の積み立て方法によっては、会社の意思が反映できないケースがるので注意が必要です。
また、たとえ懲戒が認められて本人への給付がなくても、会社に返還されないというような積み立て方法もありますので、積み立て方法にどのように規定されているかの確認も必要になります。
この場合は、退職金規定に以下のような規定が必要になりますので、注意が必要です。
記載例
「本規定の適用を受ける従業員のうち、会社が契約者としてその保険料を支払い、死亡保険金の受取人が被保険者の遺族となっている保険に加入している者が死亡した場合に遺族に支払われる給付金は、当該従業員の死亡退職金・弔慰金の一部もしくは全てに充当するものとする。」
注意点
このような規定を設けていない場合に、被保険者の遺族となっている保険に加入している者が死亡した場合に遺族に支払われる給付金は、「保険金」として扱われることとなる場合があります。
この場合は、別途退職金の給付を遺族から求められる可能性があることと、死亡退職金としての基礎控除(法定相続人の数×500万円)ではなく、保険金としての基礎控除(法定相続人の数×500万円)の適用となり、トラブルとなることも考えられますので、十分な注意が必要です。
ステップ1 従業員の年齢構成等の分析
ステップ2 期末自己都合退職金及び定年退職金予測
ステップ3 退職金規定の性質
この3つのステップのうち、退職金規定の性質は、規定の細則に現れる項目で注意してみないと見過ごしがちな項目ですが、従業員のロイヤリティーや働き方の変化などを考えたときに重要度が増す項目でもあります。
退職金規定の性格

(1)自己都合退職の取り扱い
自己都合退職の場合、会社都合の退職金に対して減額支給されるのが一般的ですが、その減額割合は規定によって様々です。①自己都合・会社都合収束型
比較的規模の大きな会社では、勤続年数が多くなればなるほど、会社都合の金額に近づいていくという規定が採用されています。

②自己都合・会社都合乖離型
多くの中小企業では、定年時にいたるまで、自己都合に対する給付割合は会社都合に比べて低く抑えられているという規定が採用されています。
減額の割合は、一定であったり、徐々に小さくなる設定だったりとまちまちです。

(2)懲戒規定の取り扱い
従業員が懲戒処分を受けた場合についての規定については、以下のような規定を設けているのが一般的です。① 懲戒解雇された場合には、退職金を支給しない。
② 諭旨解雇された場合には、退職金を減額して支給することがある。
③ 退職後に、懲戒事由が判明した場合は、既に受給した退職金を返還しなければならない。
注意点
規定でこのように定めていても、退職金の積み立て方法によっては、会社の意思が反映できないケースがるので注意が必要です。
また、たとえ懲戒が認められて本人への給付がなくても、会社に返還されないというような積み立て方法もありますので、積み立て方法にどのように規定されているかの確認も必要になります。
(3)死亡保険金の取り扱い
従業員が死亡した場合には、多くの会社では会社都合の退職金と同等額が死亡退職金として遺族に給付されます。また、死亡の場合を自己都合の場合のように別途定めている会社もあります。●生命保険を活用している会社の場合
死亡保険金の受取人を従業員の遺族としている場合には、退職金の規定によって、退職金の一部もしくは全部となる場合があります。この場合は、退職金規定に以下のような規定が必要になりますので、注意が必要です。
記載例
「本規定の適用を受ける従業員のうち、会社が契約者としてその保険料を支払い、死亡保険金の受取人が被保険者の遺族となっている保険に加入している者が死亡した場合に遺族に支払われる給付金は、当該従業員の死亡退職金・弔慰金の一部もしくは全てに充当するものとする。」
注意点
このような規定を設けていない場合に、被保険者の遺族となっている保険に加入している者が死亡した場合に遺族に支払われる給付金は、「保険金」として扱われることとなる場合があります。
この場合は、別途退職金の給付を遺族から求められる可能性があることと、死亡退職金としての基礎控除(法定相続人の数×500万円)ではなく、保険金としての基礎控除(法定相続人の数×500万円)の適用となり、トラブルとなることも考えられますので、十分な注意が必要です。
2022/12/27 |