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就業規則の作り方 その10「服務規定」
服務規定

服務規定とは従業員が会社で働くうえで守らなければならない最低限のルールになります。
任意的記載事項となりますので記載するかどうかは会社の裁量となりますが、従業員が業務を遂行するにあたり、当たり前ともいえる守るべき事項となります。
■出退社の身だしなみに関する規定
社員に遅刻をしないよう義務付けることはもとより、出社時の手続きや特に制服などを着衣するような業務の場合には身なりを整えることなどを規定します。第○条(出退社) 社員は、出退社について次の事項を守らなければならない。
(1)始業時刻までに出社し、就業に適する服装を整える等、始業時刻より直ちに職務に取り掛かれるように準備す
ること
(2)出社、退社の際は、タイムカードに自らが打刻すること。他人に打刻を依頼したり、他人からの打刻の依頼を
引き受けたりしないこと
(3)出社の際には作業に必要のないものは持ち込まないこと
(4)退社の際には許可なく会社の備品を社外に持ち出さないこと
■病者等の就業停止
第○条(病者の就業禁止)1.次の各号の一に該当する者に対しては、就業を禁止する。
(1)法定伝染病にかかった者、または、かかった疑いのある者
(2)インフルエンザ等の感染病にかかった者、または、かかった疑いのある者
(3)その他会社の指定する医師が就業は不適当と認める者
2.前項においては、感染者本人は無給として取り扱い、感染の疑いがあり、会社が自宅待機を命じた者に対しては
有給として取り扱う。
※伝染病やインフルエンザに感染した社員本人の欠勤は無給で問題ありません。しかし、家族が感染した社員や海外で新型インフルエンザが流行したときに海外旅行に行っていた社員に休業を命じるような場合には、少なくとも休業手当(平均賃金の60%)の支払いが必要となります。
■欠勤・遅刻・早退・私用外出
労働者の労働時間を管理するため出勤時や退勤時のルールを明確にします。遅刻や早退、外出の際の手続きについても明記します。第○条(欠勤・遅刻・早退・私用外出)
1.正当な理由なく欠勤・遅刻・早退・私用外出をしてはならない。
2.欠勤・遅刻・早退・私用外出をする場合には、所定の用紙に日時と事由を記入し所属長に届け出て承認を受けなければならない。ただし、緊急またはやむをえない事情があると認められる場合には、事後速やかに承 認を受けなければならない。
3.欠勤・遅刻・早退・私用外出に要した時間についての賃金は支給しない。
■服務規律
服務規律に違反した場合には、戒告や訓告、減給、出勤停止、あるいは解雇といった制裁を行うことになります。従って、服務規律は、会社の業務内容などを勘案して、より具体化しておくことが必要です。また、昨今問題となっているパワハラを認めない規定を設けることも必要となります。
第○条(服務規律) 社員は職務の遂行にあたって、次の事項を守らなければならない。
(1)会社の方針および自己の職責を理解し、各自協力して業務の達成に努めなければならない。
(2)常に健康に留意し明朗溌溂たる態度で就業しなければならない。
(3)就業時間中は業務に専念し、業務以外の目的でみだりに職場を離れ、または私的な行為をしてはならない。
(4)職場の風紀、秩序を乱してはならない。
(5)取引先より金品の授与を受け、または金品を要求することをしてはならない。
(6)申請書、届出書、報告書等を指定の期日までに指定の部門へ提出しなければならない。
(7)職務の権限を超えた専断的行為を行ってはならない。
(8)酒気を帯びるなど就業に適さない状態で勤務してはならない。
(9)在職中または、退職後において業務上知りえた機密を第三者に漏らしてはならない。
(10)会社の名誉を傷つけ、または不当に会社の不利益になるような言動および行為は慎まなければならない。
(11)会社の車両、機械、機械器具、備品その他を大切に扱い、その他消耗品の節約に気を配らなければならない。
(12)許可なく会社の設備、車両、機械器具、備品その他を社外に持ち出し、または私用に供してはならない。
(13)社員が自己の行為により、会社の設備、車両、機械器具、資材、商品等を破損し、もしくは第三者に損害を与えたとき
(14)職場の整理整頓に気を配らなければならない。
(15)会社施設内において政治活動、宗教活動を行ってはならない。
(16)会社の許可なく会社施設内において、業務に関係のない集会、演説、文書の配布、掲示等を行ってはならない。
(17)社内で賭博、暴行、脅迫などを行ってはならない。
(18)会社の許可なく他の者に雇用され、または自営をしてはならない。
(19)セクシャルハラスメント、パワーハラスメントまたは、その他これに準ずる不適当な行為をしてはならない。
(20)本来の業務の範囲を超えて、他者の人格と尊敬を侵害する言動を行ってはならない。
■セクシャル・ハラスメントの防止
男女雇用機会均等法により、会社はセクシャルハラスメントを防止するために必要な事項について配慮が必要です。社員にセクハラを訴えられたときには、会社として何ら対処をしていなければ、責任は逃れられません。この対処の入口、基礎となるのが就業規則での明確化です。
この防止の規定は、服務規律の中に収める方法と、次のように一つの条文として独立させる方法があります。
第○条(セクシャル・ハラスメントの防止)
1.社員は、性的な言動により他の社員に苦痛を与えてはならない。
2.セクシャル・ハラスメントに関する相談・苦情窓口は人事部とする。会社は、相談・苦情を申し出た社員のプラ
イバシーに十分考慮して対応するものとする。
3.相談・苦情窓口が、相談・苦情を受けた場合には、必要に応じて関係者にその事情を聴取する。関係者は、これ
を正当な理由なく拒否できない。
4.会社は、問題を解決して被害者の就業環境を改善するため、加害者に対して制裁措置、人事異動などの必要な措
置を講ずる。
最近ではSNSの普及により、従業員による不適切な投稿が問題となっています。防止策として服務規律で禁止するなどどのような内容が不適切になるかを具体的に記載し、定めるのが良いかもしれません。
| 2022/11/28 |

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